眼底出血、網膜中心静脈分岐閉塞症の治療経緯について・・・その1/2 -初診からレーザー光凝固手術まで

 本来のこのブログの趣旨とは若干異なるかもしれないのですが、掲題の眼病に罹り、ネットを探し回ったのですが、実体験的なというか、参考にするような記事がなかなか見当たらず、自分で試行錯誤した経緯があり、自分が実際にしてきた体験を綴り、同じような境遇におられる方の参考になればと、このような記事を書くことにしました。

 そして、この記事をアップして皆さまのお役に立つこと自体が、心美人への一歩かも知れないと思わせていただきました。

 最初にお断りしておきますが、似たような症例として「加齢性黄斑変性症」がありますが、この症例に関しましては私の症状とは全く別物ということのようですので、以後、お読みになっても参考にならないと思いますので、ご承知置き下さい。

概要

11月初旬、本を読んでいると、何か目がかすんで見える、小さな文字が読みづらくなっているように思えました。

 毎日続くので、やっとおかしいのかもしれないと思い始め、色々と試行錯誤して片目をつぶったりしていると、どうも左目の右下部分にモヤがかかったようにぼやけてしまっていることが分かってきました。

 左目単独では右下側がぼやけてしまうし、両目を開けていると、その影響で全体がぼやけるような感じで、むしろ右片目の方が見やすい感じもあるが、そういうことを続けることはなかなか難しいし、あまりやりたくない気もしました。

 このままでは改善の兆しも感じられないので、眼科に行くことにしました。

 最近は大学病院や総合病院は、紹介状のない診療を受け付けないようになってきているので、近くの眼科医に行くことにしました。

 まず最初に、眼底部、即ち網膜のイメージを説明しておきましょう。

 目の中心部、即ち瞳から入ってきた光が焦点を結ぶ部分が一番大事な黄斑おうはんと呼ばれている部分です。

 網膜は血管が縦横に張り巡らしていますが、この網膜の毛細血管が詰まったり、動脈と静脈の交差部の静脈が圧迫されて出血に至るケースなどがあります。

 上手は、網膜の動脈と静脈が交差している部分などの例で、この交差部は血管膜を共有しており、この部分に例えば動脈硬化などが起こると、動脈が静脈を圧迫して血栓ができ、静脈が閉塞して出血にいたる場合があります。これが網膜静脈閉塞症と呼ばれている病気です。

 網膜静脈閉塞症には、「網膜中心静脈閉塞症」と、「網膜静脈分岐閉塞症」とに分けて考えられています。

 「網膜中心静脈閉塞症」は、網膜に血液を運ぶ「網膜中心静脈」が詰まってしまい、行き場を失った血液が出血するケースで、視力低下、失明等、重症になるケースが多いようです。

 一方、「網膜静脈分岐閉塞症」は「中心静脈」から枝分かれした支流で詰まってしまい出血にいたるケースですが、黄斑部周辺の場合は重症に近く、離れている場合は、患者は何も感じないことも多いそうであります。

 私の場合は、重症のケースが多い「網膜中心静脈閉塞症」と、軽症が多い「網膜静脈分岐閉塞症」の両方の性格を持ち合わせているということで、「網膜中心静脈分岐閉塞症」という、両方の名前を一緒にした病名になっていました。

 実は、その病名が分かったのは、最初に罹った眼科医ではなく(教えて貰えなかった)、初診から2ヶ月以上も経った後、二番目に診ていただいた医師から告げられたもので、最初の眼科専門医は、「眼底出血」とだけしか言ってくれませんでした。

 これを理不尽と見るか、町医者の好意と見るか、はたまた町医者が忙しすぎて細かい説明を省略したのか、真意は計りかねますが、私は、全てを明らかにしてくれた方が良かったと思っております。

 眼底出血とだけ教えていただいていたものですから、ネットで調べてもそれだけでは、どのような症状に移行していくのか、どのような治療が必要なのか、選択可能な治療方法に辿り着くことがなかなかに難しいものを感じていました。

初診の結果

 11月中旬、近所の眼科医に行きました。

 まず最初に、両眼の視力検査をされました。それが終わって再度待合いで待っていると、○○さんと名前を呼ばれました。

 看護婦(かなり前から看護師という呼び名になっていますが、私は女性看護師は、看護婦という言葉が似合うと思って勝手に使っています)に、「車で来られましたか?」と聞かれたので正直に、「はい」と答えると、「眼底写真を撮りたいのですが、運転できないので、今日は写真を撮らないでおきますか?」と聞かれました。

 折角来たんだから、キチンとした検査をして貰いたいと思い、車をどうするかという考えも纏まらないままに、「じゃあ、車は置いて帰りますので、必要な検査をお願いします」と答えました。

 暫くすると、瞳孔を開く薬だと言われて目薬をされました。10分ぐらいするとまた看護婦が、瞳孔の開き具合を目視で確かめて、再度、目薬をしてくれました。

 暫くすると、再々度、瞳孔の開き具合を調べて、眼底写真を撮る機械の前に案内されました。

 上写真が当該の機械ですが、前方の丸い輪っかのところの下側に顎を乗せ、輪っかの上部に額を押しつけ、頭部を固定して撮影に臨むことになります。

 看護婦が上を見て、下を見てとか、前方にある赤いランプを見てとか指示をしてくれるので、その通りしていれば良いだけで、撮影自体は数分で終了します。瞳孔が開いているので、チョット眩しいですが・・・。

 その後、その写真を見ながら、医師の診断というか、所見が言い渡されることになります。

 私は当初、年齢が年齢なものなので、白内障かと予測していましたが、診察結果は全く異なっており、「眼底に出血が見られますね」と言われ、「出血?」と、思いもしない診断に思わずオウム返しに聞き返しておりました。

 診断結果は、「眼底出血が起こっており、続くようならレーザーで毛細血管を焼いた方が良いかも知れない」と言われまし。より詳しく調べるために、眼底の静脈写真を撮りましょうと言われ、日程を看護婦と打合せをするように言われました。

 この病院では、眼底静脈写真は、毎週水曜日と日が決まっているらしく、今日の明日(が水曜日)だが、来られるかと看護婦に聞かれ、翌日、再度その眼科医に行くことになりました。

 初診の内容はこれだけで、処方箋で薬を処方されました。一種類は出血を止める薬だと、もう一つはその副作用を治める胃の薬だということでした。何しろ初めてのことなので、言われるままに薬をいただいて飲み始めました。

 このように状況を羅列しても分かりづらいと思いますので、以下に、時系列に診察日と診断結果を纏めておくことに致します。

診断結果の時系列記述

・11/15(火):初診

 前述の眼底写真の画像を見ての医師の診断。

 眼底出血で網膜が腫れた状態になっており、視力が低下していると言われました。

 0.8程度はあった視力が、0.2位まで低下しており、視力検査では、こんな状態なのかと、愕然とした記憶が残っています。

 視力の低下と同時に、下左図のような画像(アムスラーチャート)を見ると、正常な正方形の形に見えず、私の場合は、右下1/4の部分が歪み、右下に行くほど歪みが激しくなっていく(下右図)ように見えました。

 更に、正常な右目と比較すると、大きな正方形全体が縮小されたように小さく見えるという現象もありました。

 眼底静脈写真を撮って、より詳しく調べてみましょうということで、水曜日がその撮影日になっているので、翌日、撮影をすることとなりました。

(当日の眼底出血の写真・・・サンプルです)
    (正常な眼底写真の例)         (出血を起こした眼底写真の例)
        
 出血を起こすと、右写真の丸印部のように、黒く鬱血した状態が撮影されます。

・11/16(水):眼底静脈写真の撮影・・・当日は撮影のみ

 この写真撮影は、蛍光眼底造影検査というのが正式名称であり、次のようなステップで撮影を行います。

 最終的にはフルオレセインという薬を注射するのですが、この薬品に対するアレルギーがないかを調べるための注射をします。

 10分か15分ほど経って、アレルギー体質でないこと(昔のツベルクリン反応のように、アレルギーがあると、注射部が数センチ程度に大きく腫れるそうです)を確認し、次いで瞳孔を開く目薬を差します。

 この目薬を2~3回差した後、先述のフルオレセインの静脈注射をします。

 このフルオレセインという薬は、黄色201号という色素で、入浴剤に用いられている、私たちがよく知っているあの緑色の色素だそうです。この色素が静脈に流れ込んで光るため、静脈の写真が撮れるそうです。

 すぐに写真撮影が始まります。機械は前述の機械と同じ機械で、要領もほとんど変わりませんが、撮影結果が出るまでに時間がかかる(何らかの画像処理をしなければならないみたいです)ので、翌週に、結果を聞きに来るように言われました。

・11/21(月)検診結果の聴取

 下の写真が眼底静脈写真の私の生写真です。何枚かの写真を合成して一枚の写真にしているようで、このような作業が必要だったということのようです。

 赤丸印のところが網膜の中で視神経が集中しているところで、最も大事な黄斑部になるのですが、その近傍に出血が見られる(網膜中心静脈)ことと、右側の薄く滲んだように見えるところ(網膜分岐静脈=毛細血管)が出血しているということのようです(出血部は黄色の点線で囲んだ部分)。

 医師は、同時に撮影した通常の眼底写真も見ながら、出血が治まる傾向を見せていないので、レーザーで毛細血管を焼いた方が良いかもしれないと、独り言のように言われました。

 しかし、その結論に至るまでには、もう一週間、様子を見ようかということになりました。

 下の写真は造影写真の説明用のサンプル写真ですが、黄斑と呼ばれる大事なところ(右上の黒い部分=赤矢印)は、造影剤ではほとんど染まっていません。この部分は網膜神経が密にある分、血管が少ない。逆に、黄斑以外の部分は全体的に白く染まっています。これは、網膜に血流が行きわたっているということです。

 緑の丸で囲った部分は、ほかよりも背景が染まっていません(黒っぽい)。これが静脈が閉塞してしまい、網膜に十分血液が行っていないサインです。

 赤い丸の中に、ひょろひょろした血管が見えます。これが新生血管です。私の生写真で出血部を拡大してみても、このような新生血管までは確認出来ませんでした。解像度の問題だろうと思われます。

 これは、血液がその部分に行かないために自衛的に新たな血管を作ってそこに酸素を供給しようとするものなのですが、この新生血管は必要以上に異常事態に対応して沢山出来てしまい、非常に脆く、すぐに出血を起こしてしまう性質を持っています。

12/2(金)一週間経過後の診察

 一週間と言いながら、色んな都合で11日経ってしまいましたが、眼科での検診を受診。

 いつも通りの瞳孔を開く目薬をされ、いつも通りの眼底写真を撮影されました。

 医師の所見は、「やはり出血が止まらず、続いているようだ。更に一週間、様子を見ましょうか?」ということになった。

 私は、「出血を抑えるという薬をずっと飲み続けていますが、それが全く効いていないということですか?」と聞くと、医師は「そうですね」とだけ答えたが、この日も同じ薬を処方されました。

 医師が効かないと言い切っている薬をまた処方されるということに、何とも言いがたい思いが湧いてくるのですが、これしか対処する方法がないのだろうと、薬を飲み続けることにしました。

 これも後に分かることなのですが、この後に受診した大学病院の医師は、この飲み薬を全く処方してくれませんでした。

 それで、「前の先生は出血を止める薬を処方してくれて、2ヶ月飲み続けましたが、先生は効かないということで処方されないんですか?」とストレートに聞くと、「そうですね。効かないと思っています。でもたまに、効いたという人がいるらしいですね」と答えられましたが、ご自身は全く処方する気がないような口ぶりでした。

 医師の薬に対する信頼度の違いなのか、経験の違いなのか、はたまた効かないと思っていても薬局との関係があるので処方するのか、素人には軽々には判断できない世界のように感じました。

・12/9(金)更に一週間経過後の診察

 いつも通りの眼底写真を撮影し、医師の診察を受けました。

 診断は、「出血が止まらず、拡大している。来週もう一回、精密な写真を撮って、それを見て次にどうするかを判断しましょう」とのことでした。

 出血が止まらなければ、どんな処置をしてもまた同じ症状に陥るのではないかという思いが涌くのですが、自分としてもどうすることもできない無力感を感じました。

・12/16(金)精密な写真を撮るということを言われた日の診察

 精密な写真と言うからには、以前に撮影した蛍光眼底造影検査だろうと予測していたのですが、そうではありませんでした。

 瞳孔を開く目薬を差され、いつもとは違う機械の前に座らされました。眼底三次元画像解析装置と言うらしいです。

 機械に座って前方を見ていると、一度目をつぶってから目を開けていて下さいと指示をされます。

 ほんの2~3秒であるが目を開けたままにしていると、目の上を赤い走査線のようなものが走っていくのが見えます。

 眼底を左から右、上から下へと走査しながら撮影をしているようであります。比較のために、左右両眼の撮影を行いました。

 これも精々、2~3分程度で撮影は終わります。

 そのときに撮影した私自身の眼底の写真が下記であります。

(眼底出血を起こした左目)            (正常な右目)
  
  

 上段の写真は、眼底全体の写真で、赤線の交差部が黄斑部に当たり、緑線の端から端まで走査して黄斑部の写真を撮影したということで、下段の写真が黄斑部の写真であります。

 実際には、下段の黄斑部の写真は、右から左へ走査した写真と、上から下へと走査した写真の二枚があるのですが、ここに掲げた写真はその内の一枚だけであります。

 一目瞭然のごとく、正常な右目は中央に少しくぼみがあって平坦であり、これが通常の健全な姿ということのようです。

 眼底出血を起こした左目は、出血によって黄斑部が浮腫(腫れ)を起こし、焦点距離が合わないばかりか、合い方も不均一であるために、前述のアスラムチャートも歪んでしまうということになるようであります。

 この撮影結果を基に、医師は、出血も続いていることだから、レーザーで周辺部を焼きましょうと、こともなげに言われました。

 私は、あまりに細かい説明がないので不安に思い、色々と質問をした結果、やっと次のことが分かりました。

 ここまでこの医師から、細かい説明は一切無かったし、後に別の医師の説明によって判明するのですが、この病名は眼底出血(としか言われていないので、そう思っていた)ではなく、「網膜中心静脈分岐閉塞症」という名前だそうですが、この医師からその病名を言われたことは一度もありませんでした。以下が、質問に答えてくれた医師の説明の要約です。

・眼底出血を起こした場合、血液の循環が悪くなり、血液不足になる。その血液不足を補うために、身体が新しい血管を作り、血液を供給しようとする。ところがその新生血管は非常に脆く弱いためにすぐに出血をしてしまう性質がある。これを放置すると、眼底出血が益々ひどくなっていくということになる。

・そうならないために、虚血状態になっている網膜を凝固する(網膜細胞を殺す)ためのレーザー照射を行う。

・死んだ網膜は血液を必要としないので、脆い新生血管が発生することが無くなり、現状維持を保つことが出来る。

・レーザー照射は、周辺部のみで、黄斑部の近くは、照射しない。

 簡単な説明ではありましたが、出血を抑止する可能性があるということで、レーザー治療(手術)をうけることにしました。

 手術の日程は、この眼科医では月曜日と決まっているらしく、12/19(月)と決まりました。

 ここで再度、レーザー手術のキチンとした理論を説明をしておきましょう。

レーザー光凝固手術とは、黄斑部以外の外周部の網膜は視神経がマダラにしか無く、レーザー光で網膜を点々で(マダラに)死滅させるということになります。

・血管の詰まり・出血によって網膜に行き渡らなくなった血液(即ち必要な酸素)は、網膜を一部死滅させることによって網膜の必要酸素量が減り、もろい毛細血管の無闇な増殖が無くなり(血液の需給バランスを取るということ)、結果として出血を阻止できるということです。即ちレーザー治療は理屈を言うと、網膜を一部死滅させているということです。

・レーザー照射をする周辺部は、物を見るというよりも物の存在を確認するといったような漠然と見るような感じの部位で、レーザーはマダラな照射になるので、網膜の点々は死ぬことになるが、面という意味では死ぬことはないので、レーザー照射で見えにくくなるということはあまりないはずである。このことは、黄斑から離れた部位で眼底出血を起こしていても本人が気づかないことも多いということと一致しています。

・目の神経が集中している黄斑部にレーザー光を当てることはいたしません。当てると失明してしまいます。

・12/19(月)レーザー照射手術

 まず最初は、いつも通りの瞳孔を開く目薬であります。

 次いで、麻酔の目薬を差します。

 下の写真は医師側から見たレーザー照射装置であり、双眼鏡のようなところから患者の眼球を覗き込み、レーザー照射をする装置です。


 その前提として、患者の目が動かないようにするための特殊なレンズを眼球に装着します。

 目に直接なので、ちょっとびっくりしますが、痛みも何もなく一瞬で装着は終わります。と言うより、麻酔の目薬は、このレンズを眼球(角膜)に直接装着しても痛みを感じないようにするためのもので、レーザー照射の痛みを麻痺させるためのものではないようです。

 その後、レーザー照射です。下記は、レーザー照射のイメージ図です。

 レーザーの発射音がして、チクッという感じの小さな痛みが走りますが、我慢するというほどでもなく、5分か、10分か、あまり定かな記憶はありませんが、これで終わりますという医師の言葉で、何となく解放されたような感じになります。

 その後看護婦が、目の洗浄をしてくれます。

 レーザー治療後の注意事項として、次のことが指示されます(このことは事前に渡された「レーザー手術について」というパンフレットにも書かれています)。
・一週間程度はアルコール摂取や激しい運動は控える
・洗髪、洗顔、風呂は通常通りで構わない。
・処方される点眼液を、一週間点眼する

 (費用)
・眼科医によっても手術の内容によって若干異なるようですが、私の場合は、保険適用前の点数は、10334点でしたので、手術総費用は103,340円。3割負担の方であれば、3万円強の負担になります。
・生命保険や医療保険の保険金支払いの手術対象であるケースが多いので、入っている保険会社に相談すると良いでしょう。但し、適用される場合、申請には診断書(保険会社の用紙を取り寄せてそれに書いて貰う形で、\5,400円の自己負担)が必要となります。

・12/30(火)レーザー照射後の診察

 レーザー照射後の診察に行きました。

 眼底写真と黄斑部の三次元写真撮影を行いました。

 レーザー照射を行った周辺部の出血は治まり始めているようだが、目の中心部、黄斑部の浮腫(腫れ)は治まっておらず、まだ出血が続いているかも知れないとの医師の言。

 このときは特に何も思うことはなかったのですが、今になって考えると、レーザー照射は周辺部のみで、黄斑部近傍は照射をしていないので、レーザー照射の効果が黄斑部に及ぶはずがない、という当たり前のことなのでしょう。

 レーザー照射一週間なので、年明けまで様子を見ることとなりました。

2017-1/11(水)レーザー照射後2回目の診察

 今日の診察を受ける前から私は、総合病院の眼科の紹介をして貰うべく、お願いをするつもりでおりました。

 その理由の一つには、この眼科の治療方針で良いのだろうかという漠然とした不安。

 今一つは、ある眼科医のブログに、『眼底出血の治療には、眼底出血の原因を突き止めて、その治療が不可欠である』というようなことが書いてありました。

 何が幸いするか分からないのですが、私はこの時点では、この眼科医からは眼底出血という病名しか聞かされておらず、上記の眼科医のブログを見て、『眼底出血を解決する道は、その原因を突き止めなければ無理ではないか!』という思いになっており、やはり眼科専門医では限界があり、総合病院内の眼科で、内科などと協調しての診察治療であるべきではないかと思ったのであります。

 ただ、この思い、即ち眼底出血の原因を突き止めてその治療をするということは、後に、現状では全く不可能なことであると思い知らされる(詳細は別途詳述します)のではありますが、この時点ではこのブログを書いてくれた眼科医に拍手を送ったのでありました。

 診察結果は、
・レーザーで治療したところは治まりを見せている。
・黄斑部周辺は、じわじわとだが、まだ出血が続いているように見受けられる。黄斑部の浮腫はそのままのようだ。
・これからどうするかということですが、黄斑部の浮腫を手術してなくするという方法もあります

 と言われたので、ここぞとばかり、「出血の原因というのは分からないんですか?」と聞くと医師は、『難しいですね』とだけ答えられた。

 私は、「出血を止めなければ、どんな治療をしても、また同じ状況になるかも知れませんよね?」と言うと、医師は無言でいました。私は畳み掛けるように、「どこかの総合病院の眼科を紹介していただけませんか?」とお願いをしました。

 医師は、私の気のせいか、若干しかめっ面をしたように思えましたが、『どこの病院が良いですか?』と聞いてくれました。

 私は特に希望はなかったので、医師に一任しました。

 ところで、この医師の仰った手術というのは、ご本人から聞いてはいないのですが、ネットで調べると、次のようなことを行うようであります。

 眼球(白目部分)に三カ所の小さな穴を開け、基本的には硝子体という目の内部にあるゼリー状のものを取り除き、同時に必要な手術(眼内の出血や濁りなどの除去)を行うもののようであります。

 手術前に、下瞼の上から眼球に、直接麻酔を注射するとのことで、なかなかたいそうな手術という感じがします。

 硝子体を取り除いた後は、灌流液というものを入れて、硝子体の替わりをさせるようです。

 三カ所の穴(創口)には次のような目的があります。
1つ目:術中に眼球の形態を保つための灌流液を入れるため
2つ目:眼内を照らす照明を入れるため
3つ目:硝子体を切除するカッターと呼ばれる器具やピンセットなどの器具、浮腫部の異物を除去する器具やレーザープローブなどを入れるため

 最近は技術が進んで、穴の縫合はしなくても良いような細い穴(0.4mm径)を開けるようですが、これをしないと全盲になるというような状況でないかぎり、なかなか踏み切れそうにない手術のような気がします(私の主観ですが)。

 医師が手術の話を出したとき、ここに書いたような手術方法を知ってはいなかったのですが、それ以外に選択肢はないのか、私は他の医者にかかってみることを選択しました。

 数日後、紹介状が出来ていると、看護婦から連絡をいただきました。

 

肉体への感謝

 以降の記録は別途、新たなテーマ(総合病院での診察と、硝子体注射の実施)として書くことにする予定ですが、私たちは通常、肉体が元気であるのが当たり前、そして肉体に対しての感謝の念など全くと言っていいほど持っていません。

 何故でしょう?

 肉体に意識なんかあるはずがない、肉体が喜んだり悲しんだりするはずがない、人の思いに反応するはずがないと思っているからでしょうか?

 かなり以前は、植物に意識なんか無いと思われていたようです。物言わぬ植物ですから。

 でも最近の研究では、人間の意識に反応をする、愛情を持って育てる場合とそうでない場合とでは育ち方が違うということが分かってきたようです。

 当然、そういうことは、米や野菜、花などを育てる方々はよく分かっておられたようですが、学問的に立証されていなかったということなんでしょう。

 高橋信次先生は、肉体諸器官にも意識があるということを明確に教えて下さっています。
臓器移植に拒否反応が起こるということは、このことを明確に示しているということに繋がっているようです。

 折角病気になったんですから、病気になった器官に対して、今まで元気に働いてくれてありがとう、もう少し、頑張ってくれるようにお願いするねと、感謝の思いを言葉にすると、通じるかも知れませんね。

 何故って?

 人間でもそうでしょう? 有り難うって言われると、頑張ろうって思うものでしょう? 花や野菜でも反応するのですから、もっともっと身近な肉体諸器官が、主人公の思いに反応することは、理の当然と言えるのではないでしょうか?

 眼底出血、網膜中心静脈分岐閉塞症の治療経緯について-2/2に続きます

 

 

 

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